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【徳島市編】親が認知症になっても相続前・相続後の実家を売却した事例

徳島市の物件を相続し、親が認知症になっても相続前・相続後の実家を売却した事例を3つご紹介します。
※実際の関係者や物件が特定できないように、複数の事実を改変・翻案してまとめた内容になります。

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1.徳島市にお住まいのK様が「父親の認知症が悪化する前に、生前贈与を使って相続前の実家を売却した事例」

1.徳島市にお住まいのK様が「父親の認知症が悪化する前に、生前贈与を使って相続前の実家を売却した事例」

お客様の相談内容

売却物件 概要
所在地 徳島市川内町 種別 一戸建て
建物面積 99.56m² 土地面積 156.29m²
築年数 49年 成約価格 660万円
間取り 4LDK その他
相談にいらしたお客様のプロフィール

徳島市にお住まいの50代のK様が相談者です。
K様のお父様は徳島市のご実家で一人暮らしをされており、最近は認知症の兆候が見られるようになりました。
今後、お父様の症状が悪化した際は、介護施設への入所を検討しています。
入所が決定した場合、ご実家を売却して、売却益を介護施設の支払いに充てたいと考えています。

解決したいトラブル・課題

課題
いつでも父親名義の実家を売却できるようにしておいて、父親の認知症が悪化した際は売却して施設への費用に充てられるよう準備しておきたい。

K様のお父様は徳島市のご実家で一人暮らしをされていますが、最近、認知症の初期症状が現れはじめています。
症状が進行する場合、K様はお父様を施設へ入所させることを検討していますが、一人っ子のK様には頼れる兄弟はおらず、お父様の介護費用を捻出するにはご実家を売却する以外に選択肢がありません。
医師と認知症の進行状況を共有しつつ、売却を希望するタイミングで確実にご実家を手放せるように、事前に準備しておきたいと思われています。

相談する不動産会社の探し方・選び方

K様は不動産の売却だけでなく、「財産」に関する幅広い問題に対応できる不動産会社を探す必要があると感じました。
相談する不動産会社を選ぶ際は、

  • 売却だけではなく、相続問題についても相談できること
  • 物件売却の経験が豊富で、様々な種類の課題に対応できること

といった点を重視しました。

K様の「トラブル・課題」の解決方法

今回のK様のケースでは、ご実家をお父様から「生前贈与」で実家を譲り受けておくと、K様の意思のみでご実家を売却することができます。
ただし、相続税よりも贈与税の方が税率は高いのが難点です。
そのため、「相続時精算課税制度」で贈与税を控除する方法を提案しました。

1.「生前贈与」で実家を相続する

生前贈与とは、被相続人が生存中に他者に財産を分け与える行為です。

K様の場合、お父様の認知症が悪化すると資産の凍結が発生し、お父様名義のご実家の売却が困難になります。
幸い、現時点ではお父様の意思決定能力はまだ損なわれていないため、認知症のさらなる進行前に、生前贈与の形でお父様から実家の土地と建物をK様が受け継ぐことが可能です。

2.相続時精算課税制度で贈与税を先送りにする

生前贈与を受けた際の贈与税についてK様は懸念していましたが、相続時精算課税制度を利用することで回避できます。

相続時精算課税制度は、2,500万円までの生前贈与に対する贈与税の支払いを延期する制度です。

贈与者が亡くなった際に、生前に贈与された財産も相続税の対象として計算されます。
K様の場合、生前贈与されるご実家の評価額が1,225万円であるため、この制度の適用範囲内です。

3.「結果」

K様が生前贈与を受けてから4年後にお父様の症状が悪化し、施設に入ることが決まりました。
K様がご実家の所有者であるため、ご実家を売却して収益をお父様の施設利用料などに使用しています。

2.徳島市にお住まいのT様が「父親が認知症になったので、家族信託制度を使って相続前の実家を売却した事例」

2.徳島市にお住まいのT様が「父親が認知症になったので、家族信託制度を使って相続前の実家を売却した事例」

お客様の相談内容

売却物件 概要
所在地 徳島市八万町 種別 一戸建て
建物面積 98.26m² 土地面積 123.54m²
築年数 43年 成約価格 1,480万円
間取り 4LDK その他
相談にいらしたお客様のプロフィール

徳島市にお住まいの40代のT様が相談者です。
T様のご両親は、お母様が施設に入所しており、お父様は徳島市のご実家で一人暮らしをされています。
ただ、お父様には認知症の症状が少し見られるようになり、将来的な施設への入所を検討されています。
T様には5歳離れた弟様がいらっしゃいますが、お二人とも高額な施設での介護費用を毎月支払っていく金銭的な余裕はありません。
そのため、今後お父様が施設に入所する場合は、ご実家を売却して両親の施設費用に充てたいと考えています。

解決したいトラブル・課題

課題
父親名義の実家を売却できるようにしておいて、父親の認知症が悪化した際、売却してすぐに入所資金に充てられるよう準備しておきたい。

T様のご両親は、お母様が数年前に有料老人ホームに入っており、お父様が徳島市のご実家で一人暮らしです。
お父様には認知症の初期症状が見られ、今後の症状次第では施設への入所をT様は検討しています。
しかし、ご両親が施設へ入所するとなると、施設の費用はご実家を売却する以外に用意できません

相談する不動産会社の
探し方・選び方

相続や不動産売却についてどこに相談してよいかわからず、複数の不動産会社に相談しました。
その際、

  • 売却だけでなく、相続や財産の問題についても相談できる
  • 親身になって相談にのってくれる

点を重視して、依頼する不動産会社を決めました。

T様の「トラブル・課題」の解決方法

今回のT様のケースでは、「家族信託」の利用をご提案しました。
お父様からT様兄弟への生前贈与も検討しましたが、

  • T様兄弟へ贈与する分配が難しい
  • 兄弟で売却益を等分に分けたとしても、のちにトラブルになる可能性がある
  • 売却目的がご両親の介護費用であること

といった点が、生前贈与では不向きと判断しました。

1.「家族信託」でご実家を管理する

家族信託とは、被相続人が認知症などで意思能力が喪失する前に、信頼できる家族に管理を任せる法的制度です。

T様の場合、お父様の認知症が悪化すると資産凍結状態となり、お父様名義のご実家を売却することが難しくなります。
そのため、認知症が悪化する前にお父様から「家族信託」の同意を得て、T様が「受託者」となり、お父様の財産やご実家を管理できるようにしました。

【家族信託の仕組み】

※表は左右にスクロールして確認することができます。

信託契約 T様のケース
委託者(保有する財産を預ける人) お父様
受託者(財産を託され、管理・処分する人) T様
受益者(財産を運用・処分した際に利益を得る人) お父様

「受益者」はお父様となるので、T様がご実家を売却したとしても、その売却益はT様の財産になるのではなく、お父様の財産になります。
仮にT様がお父様から「生前贈与」された場合は、T様の財産となるため、誰の財産になるかに大きな違いがあります。

2.「結果」

その後、認知症が悪化したためお父様も施設に入所することになりました。
受託者であるT様の判断のもとご実家を売却され、T様が売却代金を管理しながら、両親の施設費用に充てています。

3.徳島市にお住まいのY様が「相続人に認知症の母親がいたので、成年後見制度を使って実家を売却した事例」

3.徳島市にお住まいのY様が「相続人に認知症の母親がいたので、成年後見制度を使って実家を売却した事例」

お客様の相談内容

売却物件 概要
所在地 徳島市名東町 種別 一戸建て
建物面積 85.75m² 土地面積 154.38m²
築年数 51年 成約価格 1,090万円
間取り 4DK その他
相談にいらしたお客様のプロフィール

徳島市にお住まいの50代のY様が相談者です。
Y様のお父様が亡くなり、ご実家や金融資産をお母様とY様兄弟二人で相続されることになりました。

遺言書はなく、お母様は認知症で施設に入所されているため、相続手続きの進め方がよくわかりません。
今後住む予定のないご実家は売却したいと思われています。

解決したいトラブル・課題

課題
父親の資産を母親と兄弟二人で相続予定だが、認知症の相続人がいる場合の相続手続きの仕方がよくわからない。また、相続する徳島市の実家を売却したい。

Y様のお母様は認知症で有料老人ホームに入所しており、お父様は徳島市の実家で一人暮らしをしていましたが、お父様が亡くなったため相続手続きを進めなければなりません。

Y様と弟様はそれぞれ既に自宅を所有しており、実家に移り住む予定はないため、相続不動産の売却を考えています。
問題はお父様が遺言を残していないことと、お母様が判断能力を持っていないことです。
遺言がなく認知症の相続人がいる場合の相続手続きの進め方がよくわかりません。

相談する不動産屋さんの
探し方・選び方

Y様は相続や不動産売却についてどこに相談してよいかわからず、以下のポイントに絞ってインターネットで不動産会社を探しました。

  • 不動産相続に関して幅広い相談ができること
  • Google Mapsなどでの口コミや評判が良いこと

上記を条件に、相談する不動産会社を決めました。

Y様の「トラブル・課題」の解決方法

Y様には認知症の方が相続人にいる場合の問題点を説明し、その解決方法を説明いたしました。

1.認知症の相続人がいる場合の問題点

相続人の中に認知症の方がいらっしゃると、相続手続きが複雑化します。
例えば、以下のような問題点があります。

  • 相続人全員の合意が必要な「遺産分割協議」ができない
  • 認知症の方に代わって遺産分割協議書に代筆しても無効になる
  • 遺産分割協議ができないので、相続分配は法定相続分となる
  • 認知症の方は相続放棄できない

特に注意すべき点は、「遺産分割協議が行えない場合、分配は法定相続分に従う」です。
金融資産のように分割しやすい相続財産であれば、法定相続分に従って分けることが比較的容易です。

しかし、不動産の相続では物理的に法定相続分通りに分配することは不可能です。
通常、相続人の一人が不動産を相続し、後に売却益を分配する方法が遺産分割協議で話し合われます。
ただし、相続人の中に認知症の方がいる場合は、遺産分割協議を行うことができません。
さらに不動産を認知症の方を含めた共同相続にしてしまうと、売却する際は認知症の方の同意が必要となり、実質的に売却できない状態になります。

上記の問題は、成年後見制度を利用することで解決できます。

2.「成年後見制度」とは

成年後見制度とは、認知症や知的障害などにより判断能力が不十分な方の権利を守るための制度です。
親族や弁護士、司法書士などが被後見人として指定され、財産管理や法的手続きを代行します。
成年後見制度のメリットとデメリットは以下のとおりです。

【成年後見制度のメリット・デメリット】

※表は左右にスクロールして確認することができます。

メリット
  • 遺産分割協議など相続手続きを進められる
  • 所有する不動産を売却することができる
  • 凍結された銀行口座を凍結解除できる
デメリット
  • 本人に意思決定能力がない場合は家庭裁判所が選任する
  • 申立手続きには、手間や労力がかかる
  • 必ずしも親族が選ばれるわけではない
  • 成年後見人に報酬の支払い義務がある
  • 途中で解約はできない

Y様のお母様に十分な判断能力がある場合、お母様自身が後見人(任意後見人)を選ぶことが可能です。
しかし、Y様のお母様は判断能力が不十分なため、自ら後見人を選ぶことはできず、選任を家庭裁判所に委ねる必要があります。

家庭裁判所によって選ばれた後見人を「法定後見人」と呼びます。

法定後見人は親族以外が選ばれることが多く、令和4年のデータでは「80.9%」が司法書士や弁護士などの専門職です。

参考:最高裁判所事務総局家庭局|成年後見関係事件の概況

3.「結果」

Y様は成年後見制度を利用して、相続手続きを行うことにしました。
家庭裁判所への申立ては複雑ですが、提携している司法書士を紹介したことで、スムーズに申立てを行えました。
申立てが家庭裁判所に受理された後、法定後見人が選任され、無事に相続手続きを完了させることができました。
相続手続き後は、予定通りご実家を売却することもできました。